がん保険の記事に目を止めて読んでいると、気になる部分がありました。これが本当なら、入院費用はかなりの負担になるからです。保険会社の記事なら、保険加入させる目的から差し引きして読み飛ばすところですが、そうではありません。
そこで少し検証してみることにしました。
記事はこちら。
がん保険はおトク?損?加入時に外せないポイントとは
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入院時の一日当たりの平均自己負担費用は約2万円って本当?
まず高額療養費の給付という公的制度を知っておかなければなりません。 これは、どれほど高額な医療費がかかったとしても、自己負担はたとえば月額9万円(年収によって異なるので注意!)ですむ、という公的医療制度。がん治療にはこの制度をフル活用することが大前提です。
生命保険文化センターの統計によると、がんによる入院の平均日数は約20日。入院時の一日当たりの平均自己負担費用は約2万円なので、入院期間の費用は合計して40万円ということになります。これは上記の高額療養費の給付制度をフル活用したうえでの数字です。
ただし、注意しなければいけないのが、この制度でまかなえない費用が発生するということ。 たとえば、少人数の病室を希望した場合の差額ベッド代、食費、入院時の日用品、テレビのレンタル料、お見舞いの家族の交通費、そのほかの雑費すべてがこの制度の対象外。ここで差額ベッド代平均6155円(※1)がかかってきます。 ※1…厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況(第337回中央社会保険医療協議会総会資料)」より
高額療養費の自己負担額とは?
共済組合ホームページより
我が家の場合、上から3番目の区分になります。高額所得者でなければ、ほとんどがこの区分に該当するのではないでしょうか。「自己負担はたとえば月額9万円(年収によって異なるので注意!)ですむ、という公的医療制度」と記事にもありますね。
実際に払う金額は?
以前、夫が入院していた時の費用を見てみましょう。
入院期間 | 29.6.5-29.6.30 | 26日間 |
投薬 | 3,084点 | |
注射 | 1,352点 | |
検査 | 2,544点 | |
画像診断 | 2,520点 | |
精神専門療法 | 4,500点 | |
入院料等 | 40,115点 | |
合計 | 54,115点 | |
食事療養 | 56,432円 | |
保険分負担金額 | 82,842円 | ※1 |
食事・生活負担額 | 27,720円 | ※ |
窓口負担額 | 110,562円 | ※の合計 |
計算式に当てはめると
80,100+(54,115点×10円-267,000円)×1%=82,841.5円 → 82,842円
医療費と窓口負担額の差が高額療養費として負担されます。これには、食事分は入っていません。食事療養の半分ぐらいは自己負担となるようです。
差額ベッド代の必要な個室を使わない窓口負担額が、11万円余りとなります。
実際は、入院する期間にもよりますが、最大の金額です。
例えば、1日5千円給付の医療保険に入っていた場合、13万給付されます。1日1万円なら26万円というわけです。13万円なら、窓口負担が保証されます。26万円なら、個室を利用したり、家族の移動費などに当てることができますね。
一日当たりの平均自己負担費用は約2万円の根拠とは?
この記事の引用元を見てみました。生命保険文化センターの統計とあります。
その記事はこれではと思います。
この記事をみると、(注3)に目を止めました。
この記事の2万円には、差額ベッド代の必要な病室代や交通費、その他費用も含まれた金額なのです。そう考えると、過度に心配する必要はないのではないでしょうか。窓口負担を抑えたいなら、差額ベッドの必要な個室などは選ばす、4人部屋で十分ではないでしょうか。
差額ベッド代を負担せず個室に。
小、中の時、子どもが入院していた時があります。そのほとんどは、個室でした。
しかし、差額ベッド代は負担したことはありません。その理由は、自分から希望しなかったからです。病状により個室に入れられると負担はいりません。付き添いの欲しかったであろう病院は、可能な限り個室に入れてくれました。個室にいる間は付き添いするといったからです。大部屋で付き添いしたこともありますが、その場合は見かねて、空いている個室に入れてくれました。
退院の日に大部屋に移されたことはありますが、ほとんど個室で過ごしました。子どもが小さい場合で付き添いする場合や、手術の術前術後は病院側が個室にする場合もあると思います。
大部屋にいてどうしても個室に移りたくなれば、その時に申し出てはどうでしょうか。どこの病院でもそうかはわかりませんが、我が家の場合はそうでした。ご参考までに。
医療保険の保障はどれくらい必要か?
これは、人それぞれだと思います。多くは、5千円から1万円ではないでしょうか。
より安心を買いたいなら1万円と言えるかもしれませんが、5千円にして差額の保険料分を医療費に充てるため貯金するという方法もあります。
子どもが小さいなら、より保障が多いほうが生活保障にもつながるかもしれません。
我が家の保障は?
夫 | 日額9千円 | |
夫 | 日額5千円 | |
夫※(70歳まで) | 日額5千円 | 入院5日目から、個人年金の特約 |
妻※(終身) | 日額5千円 | がん保険の特約 |
妻 | 日額5千円 | 夫の特約 |
長女※(終身) | 日額8千円 | |
次女※(24歳まで) | 日額5千円 | 夫の特約 |
※は、最終的な保障とする保険です。これにはがん保険はいれていません。我が家では最終的には1日5千円とするつもりです。長女は、若いのでこれからもっと医療費は上がるでしょうから、保険料との兼ね合いから8千円としています。次女は、来春働き始めてから、保険に加入することになるでしょう。